『DIE WITH ZERO』を読んで、モルモットの飼い主が考えたこと
読書の秋ですね。
先日、『DIE WITH ZERO』という本を読み終えました。お金と時間の使い方、生き方についての本です。
正直、最初は「ライフスタイルの本を、モルモットにつなげるのはどうかな」と迷いました。でも、読んでよかった本は紹介したいし、モルモットの飼い主として感じたことを残しておきたい。
そこで、新しいコーナー【モルモットと読む】を試してみることにしました。モルモットの飼い主の目で、読んでよかった本を紹介するコーナーです。反応がよければ、続けます。

「どうしてペットを飼うの?」に、答えられなかった
この前、長男に「どうしてペット飼うの?」と聞かれました。
そのとき私はまだこの本を読んでいなくて、「……なんでだろう。女性の、母性の本能で、なにかをお世話したいのかな」と、適当に答えてしまいました。
実は昔、AIにも「どうして人間はペットを飼いたがるの?」と聞いたことがあります。返ってきたのは、「人間は、ずっと動物と暮らしてきたから」という答えでした。
考えてみると、不思議なんです。
私は主婦として家計を管理していて、できるだけ物を増やさない、ミニマムな暮らしを目指しています。ペットは維持費も予想外の出費もかかるし、物も増えます。ケージ、おもちゃ、お世話用品、おやつ……。ミニマムにも、家計にも、プラスではありません。
それに数年前、14年間一緒に暮らしたフレンチブルドッグのドーモが亡くなったとき、つらすぎて、ペットロスからなかなか抜けられませんでした。「もうペットを飼うのはやめよう」と思ったほどです。
それでも今、うちにはルルとごまおがいます。
調べてみた、2つの答え
私の「お世話したい本能」と、AIの「ずっと一緒に暮らしてきたから」。せっかくなので、この2つを少しだけ調べてみました。
「お世話したい本能」は、半分当たりでした。丸い顔や大きな目のような、赤ちゃんらしい顔のかたちは、人に「かわいい」と感じさせて、お世話したくなる気持ちを引き出すといわれています。イタリアとイギリスの研究チームが2014年に発表した研究では、3〜6歳の子どもでも、人の赤ちゃんだけでなく、子犬や子猫の顔に同じように反応していました。母性だけの話ではなく、小さいころから持っている反応のようです。
「ずっと一緒に暮らしてきた」も、当たっていそうです。日本の麻布大学などの研究チームが2015年に発表した研究では、犬と飼い主が見つめ合うと、飼い主の体の中で絆にかかわるホルモン(オキシトシン)が増え、それが犬の側にも返っていく「ループ」が見つかりました。同じことは、オオカミでは起きなかったそうです。人と犬が長い時間をかけて、いっしょに変わってきたことを支える結果だといわれています。
モルモットも、南米のアンデスで何千年も前から人と暮らしてきた動物です(→ モルモットはどんな生き物?種類や歴史)。
でも、どちらも「人間という生き物の答え」でした。「私は、どうして?」の答えは、この本の中にありました。
この本が言っていること
『DIE WITH ZERO』は、アメリカのビル・パーキンスさんが書いた本です。ざっくり言うと、お金を貯めること自体を目的にせず、「そのときにしかできない経験」に使おう、という本です。
やりたいことには年齢ごとの”賞味期限”があるという考え方(タイムバケット)や、死ぬまでに必要なお金の目安を出す計算式まで載っています。お金の話は、ここでは省きます。
私の中にいちばん残ったのは、この2つの言葉でした。
- 記憶の配当(経験は、あとから思い出すたびに、何度でも喜びを返してくれる)
- 「人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。」
答え合わせは、ドーモがくれていた
長男の質問の答え合わせは、この本の中にあったと思います。
ドーモとのお別れは、本当につらかった。でもドーモは、かけがえのない、幸せな14年間をくれました。
ドーモは、妊娠中やコロナのころの、大変な時期をいっしょに過ごしてくれた子です。
私は14年いっしょに過ごしたので、覚えているのは当たり前です。でも、ドーモが亡くなったとき、子どもはまだ赤ちゃんでした。行った場所も、食べたものも覚えていないのに、今、息子の口から「ドーモの口、臭かった」「ドーモと一緒にねんねしたの覚えてる」と聞くと、不思議だなと思います。
今でも家族で、ときどきドーモの話をします。
それがきっと、「記憶の配当」なんだと思います。

家にいる時間が増えて、眺める時間も増えた
今年の4月、私は在宅で働くようになりました。収入はまだ安定していなくて、試行錯誤の毎日です。
でも家にいる時間が増えて、ルルとごまおを眺める時間も増えました。それが、幸せに感じています。
この前、床に寝転んでみたら、ルルが隣に来てくれました。抱っこは苦手な子ですが、隣はいいみたいです。

モルモットと人間とでは、一日の重さが違います。私がずっと家にいることを、2匹はたぶん望んでいないし、記憶の配当なんて知らないでしょう(笑)。
それでも、いつかお別れのときに「たくさん一緒にいたね」と思えたら、後悔を少しでも減らせる気がします。
モルモットにとっての思い出は?
本を読んで、モルモットにとっての思い出も考えてみました。
モルモットを抱っこする。それは、モルモットが抱っこされたいのか。それとも、人間が抱っこしたいのか。
仲間のこと、お風呂のこと……。いろんなことを、モルモットを出発点にして考えてみると、違う答えが出てくるかもしれません。なかなか本音を言わない生き物なので。
モルモットは狙われる側の動物で、こわいときは固まって、じっとやり過ごすことがあります。イギリスの動物福祉団体RSPCAの飼育ガイドには、長いと30分ほど固まることもあると書かれていました。本音が見えにくいのは、そういう生き物だからかもしれません。
うちでも、耳掃除のように「しないことを選んだ」お世話があります(→ モルモットの耳掃除、うちはしていません。)。
うちの2匹は、食べ物を隠しません。野菜やおやつをもらった瞬間、取られないように安全な場所へ逃げて食べることはあります。
給水ボトルもお皿の中身も同じなのに、しばらく食べると場所を交換して、また食べ続けます。「相手のほうがおいしく感じる」のかな。
寝る場所も、日によって違います。ケージは基本開けっぱなしなので、隣り合わせで寝る日もあれば、ひとりはソファーの下、ひとりはケージ、という日もあります。


(2匹が一緒に暮らすまでの話は → モルモットのオス同士の同居、うちはこうして始めた)
今日を、いっしょに使い切る
明日もまた、ケージの前で温かいお茶を飲みながら、2匹の「焦らない美学」を少しだけお裾分けしてもらおうと思います。
【モルモットと読む】は、反応がよければ次の本でも続けます。読んでよかった本があれば、コメントで教えてください。
本の情報
『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス 著/児島修 訳/ダイヤモンド社(2020年)
出典
- Borgi M. ほか(2014)Baby schema in human and animal faces induces cuteness perception and gaze allocation in children. Frontiers in Psychology
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24847305/ - Nagasawa M. ほか(2015)Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bonds. Science(麻布大学ほか)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25883356/ - RSPCA「Guinea pigs: Good practice for housing and care」(2011)
※イラスト・一部の画像はAIで生成しています。写真は実際のルルとごまお、ドーモです。
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