ケージ2個ぶんの覚悟と、ときどき来る「実力テスト」の話
我が家には、茶白黒のルルと、灰色で額につむじがあるごまおという、2匹のモルモットがいます。2匹ともオスです。
「オス同士は、いちばん相性が悪い」。獣医さんにもそう言われていました。「オス同士はケンカする」という話も、よく聞いていました。
それでも、うちは2匹目にオスを迎えました。
この記事は、迎える前に決めていたこと、会わせた順番、いまのケンカとの付き合い方を、うちの場合としてまとめたものです。2匹目を迎えるか迷っている方が、「うちも迎えられそう」か「うちはやめておこう」かを決める、材料のひとつになればうれしいです。

1. 迎える前に決めていたこと
最初から「オス同士」を選んだわけではない
ルルを迎えたとき、性別はまだ分かっていませんでした。オスだと分かったのは、3か月の健診のときです。
2匹目を考えたとき、去勢手術のことも考えました。でも、あの小さな体に負担をかけたくなくて、うちは選びませんでした。
それで、覚悟を決めて、オスの子を探すことにしました。
去勢をしているほうが同居しやすい、という資料もあります(後半で書きます)。手術をするかどうかは、その子の体の状態で変わるので、かかりつけの先生に相談してください。
ケージ2個ぶんのスペースを、先に用意した
オス同士は縄張り意識でケンカしやすいと聞いていたので、会いに行く前に、ケージを2個並べられるスペースを空けました。
「相性が悪かったら、別々に暮らす」。これも、迎える前に決めておいたことです。
いまも、ケージを2つに分けるためのパネルは、捨てずに取ってあります。
2. ごまおと会った日
ごまおとは、ペットショップで出会いました。
ルルは、初めて会ったときハウスに隠れていた子です。ごまおは正反対で、ハウスの「上」に立って、「俺は王様だ」という顔をしていました。ひと目で決めました。

3. 会わせた順番(うちの場合)
ごまおを迎えてから同居まで、うちは4つの段階を踏みました。日数は、だいたいです。
STEP1 別々のケージで暮らす(3〜4日)
最初は、完全に別々のケージです。
ルルには今まで通りたっぷり愛情を注ぎながら、ケージ越しにお互いの存在を知ってもらう期間にしました。
STEP2 広い共同スペースで、少しだけ会わせる(2〜3日)
床を囲って広めの共同スペースを作り、隠れ家とチモシーを置いて、2匹を一緒にします。しばらく過ごしたら、それぞれのケージに戻します。
初めて会ったとき、2匹は歯を鳴らしませんでした。一緒にチモシーを食べたり、ひたすらクンクンし合ったり。
攻めるのはごまおで、ルルは「やめて!」とタジタジ。ルルが疲れすぎないように、途中でケージに戻して休ませました。
どちらかが嫌がったら、すぐに終わりにして別々のケージへ。この繰り返しで、共同スペースは少しずつ狭くしていきました。

STEP3 仕切りを外して、仮の同居(2〜3日)
並べた2つのケージの間のパネルを外して、仮の同居です。人がいない時間は、パネルを戻して別々にしました。
STEP4 正式に同居(いま)
決め手は、2匹が並んで寝たり、まったりしている姿を見たことです。
小さなケンカはありましたが、激しくはならず、自分たちで休憩をはさみながらやっていました。それを見て、同居に踏み切りました。
いまはケージの扉を基本開けっ放しにしていて、放し飼いのような状態です。スペースと食べ物は、十分に用意しています。

4. いまの2匹と、ケンカのこと
ひとりのときと、ふたりのときで、性格が逆になる
ひとりのときのルルは、臆病です。撫でさせてくれるようになるまで、1年かかりました。ひとりのときのごまおは、ハウスの上に立つ王様です。
ところが2匹でいると、ルルが兄貴になります。いちばん涼しい場所も、いちばんおいしいものも、ルルのもの。
ごまおは子分になって、どこまでもついていきます。「しつこい!」と怒られても、兄貴のことが大好きです。

ケンカが増えた時期がある
今年の8月ごろから、ケンカが増えました。ある夜、激しくやり合ったようで、翌朝ルルの鼻に血のかさぶたができていました。

本気のケンカは、こんな感じです。ごまおは毛を逆立てて、ルルはあごを上げて上から。

うちの見守りのルール
そのとき、AIに相談しました。返ってきた答えは、こうです。
ごまおが、兄貴のルルに挑戦している時期なのかもしれない。人が毎回割って入ると、順位がいつまでも決まらない。だから基本は見守る。ただし、2匹がボールのように絡まって転がる、離れない。そうなったら危ないので、すぐに離す。
うちでは、この時期をごまおの「実力テスト」と呼んでいます。いまも、このルールで見守っています。

5. 想定外だったこと
大変だったこと
同じ飼い方をしているのに、尿石ができたのはごまおだけでした。これは、ショックでした。
それから、うんち(黒豆)とチモシーのにおいは、1匹のときより確実に増えました。
なので、「もう1匹迎える?」と聞かれたら、いまのうちの環境では、すぐに「YES」とは言えません。
よかったこと
2匹が縦に並んで走っていたり、コンビみたいなやりとりをしていたり。見ているだけで、本当に癒やされます。
2匹迎えてよかったと、心から思っています。
6. 同じ不安のDMをいただいて
インスタグラムでは、オス同士の同居について、ときどきDMをいただきます。
「同居できました」と報告が届いた
8月、オスの子2匹と暮らしている方から、ルルとごまおの同居のコツを知りたい、という相談が届きました。
お返ししたのは、この記事の「会わせた順番」とほとんど同じ内容です。別々のケージから始めて、共同スペースにチモシーと隠れ家を置いて会わせる。嫌がったらすぐ終わりにする。うちは、相性が悪ければすぐ別居させる覚悟でいたこと。
そして9月のはじめに、こんなメッセージが届きました。
教えて頂いた事や動画を参考にし、なんと同居出来ました!
本当にありがとうございました
自分のことのように、うれしかったです。
(ご本人の許可をいただいて、お名前を伏せて載せています)
いまも、同じ不安の声が届きます
最近も、男の子同士の同居が気になっているけれど一歩踏み出せない、というDMをいただきました。
うちからは、「ごまおには時々『実力テスト』の時期がやってきて、ルルに挑戦状を叩きつけていますよ」とお返ししました。
7. 資料では、どう書かれているか
オス同士の同居について、せっかくなので、英語の資料まで広げてみることにしました。読んだのは、次の3つです。
- イギリスの小動物保護団体(Great Field Small Animal Rescue)の、同居のさせ方のガイド
- オーストラリアの動物福祉団体(RSPCA)の、モルモットの社会化についてのQ&A
- イギリスのモルモット飼育の啓発サイト(Guinea Pig Alliance)の、仲間づくりのページ
モルモットは、仲間と暮らす動物
オーストラリアの動物福祉団体のQ&Aには、モルモットは社会性のある動物で、ほかのモルモットと一緒に、2匹以上で飼うように、と書かれていました。
もちろん、1匹で大切に暮らしている子もたくさんいます。うちのルルも、ごまおが来るまでの1年は1匹でした。
オス同士は「うまくいくこともあるけれど、ばらつきが大きい」
イギリスの保護団体のガイドには、去勢していないオス同士でも仲良く暮らせることはある、でも組み合わせによる差が大きいので、決める前に獣医さんや保護団体に相談を、とありました。
オーストラリアの動物福祉団体のQ&Aでは、オス同士は、若いうちに会わせるか、2匹とも去勢していると、ケンカせずに受け入れ合いやすい、とされています。
獣医さんの「オス同士は、いちばん相性が悪い」は、同じ方向の話でした。先生の言っていたことは、合っていました。
会わせる場所と、会わせる前の期間
イギリスの保護団体のガイドには、先住の子のケージに、いきなり新しい子を入れないように、とあります。そこはもう「その子のにおい」がする場所なので、もめやすいからです。
どちらも使ったことのない場所をきれいにして、床材・隠れ家・牧草を置いて会わせます。
うちは、床を囲って作った共同スペースに、隠れ家とチモシーを置いて会わせました。
オーストラリアの動物福祉団体のQ&Aには、新しい子は、感染症を持っていないか確かめる期間(検疫)をおいてから会わせる、とありました。日数は書かれていませんでした。
うちの別ケージの期間は3〜4日でした。何日くらいとればいいかは、迎える前に、かかりつけの動物病院に聞いておくと安心です。
隠れ家は「行き止まり」にしない
イギリスの啓発サイトには、隠れる場所は、両側が開いた箱やトンネルにするように、と書かれていました。キャリーのように、追い詰められたり、なわばりになったりする場所は置かない、という理由です。
イギリスの保護団体のガイドにも、誰も追い詰められないように、隠れ家は1匹にひとつ以上、食べ物と水の場所も複数に、とあります。
迎える前に、隠れ家の数だけでなく、形も見ておくと安心です。
見守っていい行動と、離す合図
イギリスの保護団体のガイドでは、低い声でブルブル鳴く、軽く追いかける、上に乗っかる。このくらいは、順番を決めているところで、よくあることとされています。最初の1〜2回で落ち着くことが多いそうです。
こうした小さなサインだけで諦めてしまうのは、よくある失敗、とも書かれていました。「毎回割って入らない」は、AIに相談したときの答えと同じでした。
一方で、本当のケンカに傾いているサインとして、次の4つが挙げられていました。
- 背中の毛が逆立つ
- 歯を鳴らす
- 飛びかかる
- 血が出るほど噛む
そうなったら、素手ではなく、タオルや厚手の手袋で落ち着いて離し、別の日に、短く穏やかにやり直す、とあります。
資料の「離す合図」は、うちの基準(ボールのように絡まったら)より、手前に置かれていました。毛を逆立てるのは、写真のごまおにも出ていたサインです。
ただ、ここは会わせ始めの時期について書かれた部分です。長く一緒に暮らしている2匹に、そのまま当てはまるかは分かりません。
8. うちがやめる覚悟をしていた条件
迎える前に決めていた「やめる条件」は、2つだけです。
- 相性が悪ければ、別々に暮らす。そのために、ケージ2個ぶんのスペースと、分けるためのパーツを残しておく
- 2匹がボールのように絡まったら、迷わず離す
最後に、これから2匹目を迎える方のために、チェックリストを置いておきます。うちの経験と、この記事で読んだ資料をまとめたものです。コピーして使ってください。
【2匹目を迎える前に(twopiggiesの場合)】
□ ケージ2個ぶんのスペースがある
□ 相性が悪ければ別々に暮らす、と決めてある
□ ケージを分けたり、つなげたりできる
□ 最初に会わせる場所は、どちらのにおいもついていない
□ 隠れ家は1匹にひとつ以上。形は、両側が開いた箱やトンネル
□ チモシーと水は、たっぷり、複数の場所に
□ 嫌がったら、すぐに終わりにする
□ 離すときは、タオルか厚手の手袋で(素手はNG)
□ 「ここまで来たら離す」を先に決めた
□ モルモットを診てくれる病院を調べてある
9. 私からのメッセージ
オス同士の同居は、人間の男の子兄弟の育児にそっくりです。毎日力比べをして、くだらない勝負をして、気が抜けない。まさに「男子寮」です。
でも、男の子は素直で、まっすぐで、本当にかわいい。
抱っこは嫌だけど、この距離なら一緒にいてもいいよ、という絶妙な距離感を保つルル。やんちゃで、突然運動会を始める暴れん坊のごまお。この2匹のいる毎日が、本当に愛おしいです。

今回の内容は、あくまでもうちの場合と、twopiggies調べです。正しいとも間違いとも言えません。1つの参考になればうれしいです。
ケガが深い、血が止まらない、腫れている、食べない。そんなときは、この記事より先に、まず病院へ。
ルルとごまおの出会いは、はじめましてに書いています。ごまおの尿石のあとで見直した飲み水の話は、モルモットの飲み水にビタミンC、うちはやめましたにあります。
出典
- Great Field Small Animal Rescue「How to Bond Guinea Pigs Safely: A Step-by-Step Guide」(イギリスの小動物保護団体)https://www.greatfieldsmallanimalrescue.co.uk/how-to-bond-guinea-pigs-safely-a-step-by-step-guide/
- RSPCA Knowledgebase「How can I socialise my new guinea pig with other guinea pigs and my family?」(オーストラリアの動物福祉団体)https://kb.rspca.org.au/categories/companion-animals/other-pets/guinea-pigs/how-can-i-socialise-my-new-guinea-pig-with-other-guinea-pigs-and-my-family
- Guinea Pig Alliance「A couple of Cavies – companionship for your guinea pigs」(イギリスのモルモット飼育の啓発サイト)https://guineapigalliance.com/guinea-pig-companionship/
※イラスト・一部の画像はAIで生成しています。写真は実際のルルとごまおです。
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