オスのモルモットのお尻を、じっと見たことはありますか。
うちには、オスが2匹います。ルルとごまお。
お尻のあたりに、小さなポケットがあります。会陰(えいん)のポケットです。
ここは「臭腺」と呼ばれることもあります。でも、正確にはちょっと違いました。その話も、あとで書きます。
先に書いておきます。うちは、このポケットを月に1回、掃除しています。
前に、耳掃除の記事で「困っていなさそうなら手を出さない」と書きました(耳掃除の記事)。お風呂にも入れていません。それなのに、お尻だけは手を出している。今回は、その理由の話です。
1. 気づいたのは、マットにお尻をこすりつける姿
きっかけは、においでした。
ルルもごまおも、マットにお尻をこすりつけることがあります。こすりつけたところに、においが残ります。ポケットの外側に、汚れがくっついていることもありました。
あとで調べて分かったのですが、これは「ここはぼくの場所」というしるしを、においでつけている仕草だそうです。
それからもうひとつ。2匹が威嚇し合うときにも、ポケットが軽く開くことがあります。

このときの話は、オス同士の同居の記事に書きました。
2. かかりつけの先生は「気になったら掃除していいよ」
健診のとき、先生のほうから言われました。「気になったら掃除していいよ」。
耳のときは「無理してやらなくていい」でした。お尻は「していいよ」。同じ先生でも、場所によって答えが違いました。
これも、うちの子を実際に見たうえでの、うちのかかりつけの先生の言葉です。すべてのモルモットに当てはまる話ではありません。
3. 英語の資料には、こう書いてあった
Geminiを使って、英語の資料まで広げて調べてみました。出典は、記事の最後に書いています。
臭腺は、どこにある?

まず、言葉の話からです。
実は、わたしも混ざっていました。前に、ごまおのお手入れ動画に「臭腺ケア」と名前をつけていたんです。ところが指摘されて、やっていたのはポケットの掃除だったと分かりました。
調べてみると、この2つは別のものでした。
- お尻のポケット(会陰のポケット):肛門のまわりにある、皮膚のひだのくぼみ。ここに汚れが溜まる
- 臭腺:においのもとの脂を出すところ。ポケットのまわりの皮膚と、もうひとつ、腰のしっぽの付け根あたり(グリースポットと呼ばれます)にある
つまり、ポケットは「溜まる場所」、臭腺は「においを出す場所」。ポケットのまわりに臭腺があるので、まとめて「臭腺」と呼ばれやすいのだと思います。
うちが月1で掃除しているのは、ポケットのほうです。
※メスの場合も書いておきます。ポケットがはっきりあって汚れが溜まりやすいのは、オスです。臭腺(ポケットのまわりと、腰のグリースポット)もオスのほうが大きく、脂も多く出ます。メスにも小さな臭腺はありますが、オスほどべたついたり溜まったりしにくいそうです。
ポケットには、何が溜まるのか
ポケットのまわりには、においのもとになる脂を出すところがあります。オスのほうが大きく、出る量も多いそうです。
そしてポケットには、脂のほかに、盲腸便(モルモットが自分で食べ直す、栄養のあるうんち)、抜け毛、床材などが溜まっていきます。
溜まったままにすると
放っておくと、皮膚が荒れたり、においが強くなったりします。ひどくなると、ハエが卵を産みつけてしまうこと(ハエウジ症)もある、と書かれていました。
でも、掃除しすぎも良くない
ここは耳の記事とつながる話でした。
においは、モルモットにとって大事な名刺のようなものです。洗いすぎて自分のにおいが消えると、ストレスになること、皮膚を守る脂まで落としてしまうことが書かれていました。
だから「毎日きれいに」ではなく、溜まったら出すくらいがちょうどいい、ということのようです。
やってはいけない、と書かれていたこと
- 綿棒やピンセットを、ポケットの奥に入れること
- 料理用の油などを塗ること
- 何度も全身を洗うこと
年をとったオスで起きること
これは日本語ではほとんど読めない話でした。
年をとったオスは、ポケットの中身を自分で出せなくなることがあるそうです。筋肉がゆるんだり、関節が痛くて体を丸められなくなったりするのが理由です。そうなると、飼い主が手伝って出してあげる必要が出てきます。
去勢についても書かれていました。去勢すると、においのもとの脂は少なくなるそうです。ただ、年をとって筋肉がゆるんだことで起きる詰まりは、去勢しても治らない、とも書かれていました。
「去勢すればお尻のトラブルは全部防げる」というわけではない、ということです。この記事は、去勢をすすめる記事でも、すすめない記事でもありません。気になる方は、かかりつけの先生に相談してみてください。
もうひとつ。「詰まっているから」と便秘の薬を使うのは逆効果だそうです。溜まっているのは便秘のうんちではなく、やわらかい盲腸便だからです。
4. うちは今、こうしています
お尻だけ手を出す理由
耳は手を出さないのに、お尻のポケットは月に1回掃除しています。
理由は2つです。
においが気になること。マットにこすりつけたり、外側にくっついたりしているのが分かります。
そして、1か月たつと、だいたい汚れが溜まっていると分かっているからです。
うちのやり方
月に1回、こうしています。
1. ペットクリーナーを綿棒にかける
2. ポケットの入り口までを、なぞる
3. クリーナーを吹きかけたタオルで、外側と体を拭く

体を拭くのも、このときに一緒にやっています。
※これは、うちのやり方の記録です。手順としておすすめしているわけではありません。初めてのときは、かかりつけの先生に一度見せてもらうのがいちばん安心です。
ルルは、おまかせ
ルルは、暴れないし、逃げません。全部まかせてくれます。
……動けないだけかもしれませんが。
ごまおは、プイ!プイ!

(動画:ごまおの「臭腺ケア」(鳴き声入り))
ごまおは正反対です。
「プイ!プイ!」と鳴いて、逃げるすきまを狙っています。一度、腕をかまれたこともあります。
同じオスで、同じ家で、同じお手入れなのに、これだけ違います。
こうなったら、すぐ病院へ
資料に書かれていた受診の目安を並べます。
その日のうちに連れていくもの
ウジや卵がついている。肛門から赤いものが出ている。うんちやおしっこのときに、いきんだり鳴いたりする。
おしっこのときに鳴くのは、うちのごまおが尿結石だったときのサインでもありました(尿結石の記事)。
数日のうちに予約するもの
赤い、ただれている、血や膿が出ている、腐ったようなにおいがする。押しても出てこない、硬いかたまりがある。触ると痛がる。
うちはまだ、どれにも当たっていません。もし当たったら、自分で何とかしようとせずに病院へ行きます。
おことわり
この記事は、わたしが自分で調べた結果と、うちのやり方をまとめたものです。獣医ではありません。
正しいとも、間違っているとも言えません。参考までになればうれしいです。
お尻のケアは、その子の年齢や体の状態で変わります。気になることがあったら、モルモットを診てくれる病院へ相談してください。
調べたところ
- MSD獣医マニュアル(モルモットの体のつくり・行動の項)
https://www.msdvetmanual.com/exotic-and-laboratory-animals/guinea-pigs/anatomy-physiology-and-behavior-of-guinea-pigs - ケーズペットクリニック「モルモットの臀部の臭腺の炎症」(日本語)
https://www.ks-pet-clinic.com/case/%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E8%87%80%E9%83%A8%E3%81%AE%E8%87%AD%E8%85%BA%E3%81%AE%E7%82%8E%E7%97%87/
このほか、イギリスの動物看護師協会(BVNA)の皮膚の解説、オーストラリアの動物病院(The Unusual Pet Vets)の詰まりの解説、Oxbowのお手入れの解説を参考にしました。
※イラスト・一部の画像はAIで生成しています。写真は実際のルルとごまおです。


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