南米の山から、日本の家まで。うちの2匹の種類も
モルモットは、南米のアンデス生まれの、ネズミの仲間です。野生にはいません。人と暮らす動物として、4,000年以上前に家畜になりました。
うちには、2匹のモルモットがいます。臆病で、撫でられるようになるまで1年かかったルル。お店のハウスの上に立って、「俺は王様だ」という顔をしていたごまお。
この記事では、モルモットがどこから来たのか、日本にはいつ来たのか、種類はどう見分けるのかを、資料を読んでまとめました。最後に、うちの2匹がどの種類かも書いています。
1. モルモットは、ネズミの仲間
モルモットは、ネズミと同じげっ歯類(前歯が一生伸び続ける動物のグループ)で、テンジクネズミ科の動物。同じ科には、世界でいちばん大きなネズミの仲間、カピバラもいます。
大人の体重は800g〜1kgくらい。寿命は5〜8年とされています。
前歯だけでなく、奥歯も一生伸び続けます。
そして、人と同じで、ビタミンCを体の中で作れません。毎日のごはんからとる必要があります。うちの野菜とビタミンCの話は、モルモットの野菜、おやつではなかったに書きました。
もともと群れで暮らす動物です。うちの2匹はオス同士で、一緒に暮らすまでの話はモルモットのオス同士の同居、うちはこうして始めたにまとめています。
よく鳴くのも特徴で、東京の足立区生物園のページでは、プイプイ、ピーピー、グルルルなど、気持ちによって鳴き声が変わると紹介されています。
2. ふるさとは、南米アンデスの高地
モルモットのふるさとは、南米のアンデス山脈のあたりです。

約1万年前には、人は野生のモルモットの仲間を食べ物にしていました。家畜になったのは、紀元前6000年から紀元前2000年のあいだと考えられています。祖先は、野生のテンジクネズミの一種(Cavia tschudii)だろうとされています。
アンデスでは、もともと食べるための家畜でした。
西暦600年ごろまでには、海を越えてカリブ海の島々にも渡っていました。ここまでは、2020年に科学誌『Scientific Reports』に載った、古い骨のDNAを調べた研究で分かったことです。
3. ヨーロッパでは「ペット」になった
16世紀、スペイン人が南米からモルモットをヨーロッパへ持ち帰りました。

アンデスでは食べるための家畜だったのに、ヨーロッパではペットとして広まります。
2007年、ベルギーのモンスという町の家の跡から、16世紀の終わりから17世紀の初めごろのモルモットの骨が見つかりました。全身の骨がそろっていて、食べた跡がありません。ペットとして飼われていた証拠と見られています(National Geographic)。
同じ2020年の研究では、ヨーロッパに最初に渡ったモルモットは、珍しいペットとしてペルーから運ばれたものだろう、とされています。
4. 日本に来たのは、1843年
日本にモルモットが来たのは、江戸時代の1843年(天保14年)。オランダ人が長崎に持ち込んだといわれています。

「モルモット」という名前は、そのとき、ヨーロッパにいる別の動物「マーモット」と取り違えて呼んだのが始まりと考えられています。
もうひとつの名前、テンジクネズミの「天竺(てんじく)」はインドの古い呼び名です。当時は「はるか遠い国」くらいの意味で使われていたそうです。ここまでは、足立区生物園のページの説明から。
南米から来たのに、インドの名前。英語では guinea pig(ギニアピッグ)と呼ばれていて、こちらもブタではありませんし、アフリカのギニア生まれでもありません。
5. 種類は「毛」で見分ける
モルモットの種類(品種)を見分けるいちばんの手がかりは、毛です。長さ、まっすぐか巻き毛か、つむじ(毛の渦)がどこにいくつあるか。

| 種類 | 毛 | 見分けるところ |
|---|---|---|
| イングリッシュ | 短い・なめらか | いちばんよく見かける短い毛の子。アメリカンとも呼ばれる |
| アビシニアン | 短め | 体じゅうに、つむじがいくつもある |
| クレステッド | 短い・なめらか | おでこに、つむじが1つ |
| ペルビアン | とても長い | 床に届くほどの長い毛と、前髪 |
| シェルティ | 長い・まっすぐ | 長い毛が後ろへ流れる。シルキーとも呼ばれる |
| テディ | 短い・かため | 毛がぎゅっと密で、全身で立っている |
| テクセル | 長い・巻き毛 | くるくるの長い巻き毛 |
| スキニーギニアピッグ | ほとんどない | 顔と足に少しだけ毛がある |
クレステッドには、つむじの色が体と同じ「イングリッシュ・クレステッド」と、つむじだけ色が違う「アメリカン・クレステッド」があります。
種類の名前や分け方は、国やクラブによって少しずつ違います。
6. うちの2匹は、どの種類?
ルルは、イングリッシュ。茶色・白・黒の三色で、毛は短くてなめらかです。

近所のペットショップに1匹だけいて、体は大きいのに、他の動物の声に怯えてハウスに隠れていた子です。家に来てから、撫でられるようになるまで1年かかりました。今はリビングを自由に歩いて、ひっくり返ってくつろいでいます。
ごまおは、クレステッド。全身が灰色で、おでこに大きなつむじがあります。角度によって、目が赤く見えることもあります。

ルルの1年後に迎えました。はじめて会ったとき、ハウスに隠れるどころか、ハウスの上に立っていて、ひと目惚れでした。

2匹が出会ったときの話は、はじめましてに書いています。
7. おわりに
南米の山で家畜になり、ヨーロッパでペットになって、1843年に長崎へ。
リビングでひっくり返っているルルにも、お店でハウスの上に立っていたごまおにも、人と暮らしてきた4,000年以上の歴史があります。
この記事は、下の資料を読んで、自分でまとめたものです。
参考にした資料
- Lord et al.(2020)「Ancient DNA of Guinea Pigs (Cavia spp.) Indicates a Probable New Center of Domestication and Pathways of Global Distribution」『Scientific Reports』
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7264122/ - MSD獣医マニュアル(飼い主さん向け)「Description and Physical Characteristics of Guinea Pigs」
https://www.merckvetmanual.com/all-other-pets/guinea-pigs/description-and-physical-characteristics-of-guinea-pigs - 足立区生物園「モルモットって?」
https://seibutuen.jp/special/mottomotto/what_mol.html - National Geographic「Guinea Pigs Were Widespread as Elizabethan Pets」(2012年)
https://www.nationalgeographic.com/animals/article/120207-guinea-pigs-europe-south-america-pets-animals
※イラスト・一部の画像はAIで生成しています。写真は実際のルルとごまおです。
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