【訂正(2026年10月2日)】「病院でかかったお金は20,900円でした」の金額には、ルルの診察・超音波検査・2週間分の薬に加えて、同じ日にもらったごまおの薬とサプリ2週間分も入っていました。ルルだけの金額ではありませんでした。訂正いたします。
本当に困ったこと
2026年8月13日の夜9時ごろ、千葉で雨が強くなって、家の電気が落ちました。
戻ってきたのは翌日の夜11時ごろ。26時間、エアコンが止まっていました。
我が家にはモルモットが2匹います。三色のルルと、灰色のごまお。南米生まれの彼らにとって、日本の8月にエアコンが止まるというのは、人間が思うよりずっと重い話でした。
そして本当に困ったのは、停電が終わったあとでした。
この記事は、その2日間で私が実際にやったこと、失敗したこと、あとから知ったことの記録です。うまくやれた話ではありません。パニックの中で判断を間違えた話も、そのまま書きます。
8月13日の夜、電気が止まりました
最初の夜は、まだ何とかなりました。
エアコンが止まった直後は部屋がまだ涼しくて、ルルもごまおもいつものケージで過ごせたんです。「朝には戻るだろう」と思っていました。
戻りませんでした。
2日目のほうがつらかったです。雨のあとのじめじめした暑さ。モルモットが一番苦手な気候でした。
昼は玄関、いちばん暑い時間は車。ケージごと行ったり来たり
朝いちばんにやったのは、家の中でいちばん風が通る場所を探すことでした。うちの場合は玄関でした。
移動には無印良品の頑丈収納ボックス(大・約50L)を使いました。普段は人間の非常食が入っている箱です。中身を全部出して、ルルとごまお、チモシー、水、マットを入れました。
フタは元のものを使いませんでした。閉めると空気が通らないからです。代わりに段ボールを屋根みたいに乗せて、飛び出しだけ防ぎました。

箱の外側には、凍らせたペットボトルとハンディファンを置きました。
正直に書きます。本当は保冷剤がベストです。でもうちは、その日の昼に食べる予定だった冷凍食品を箱のまわりに並べました。解凍しながら冷やす、という状態です。衛生的にどうなの、と言われたらそのとおりだと思います。あの時はそんなことを言っている場合じゃありませんでした。自己責任でやったことなので、真似してくださいとは書けません。
「車にはエアコンがあるから大丈夫」が、いちばんの誤算でした
昼から午後、外は30℃になりました。
家族はショッピングモールに涼みに行きました。ペットは入れないので、私とルルとごまおは車で待機です。収納ボックスごと車の後ろに積みました。
車ならエアコンがあるから大丈夫。そう思っていました。
違いました。

ガラス越しの日光が強くて、しかも冷気が後ろまで届きません。日が当たるとぐんぐん暑くなるのに、クーラーを強めると今度は急に冷える。温度も湿度も、ちょうどいいところで止まってくれませんでした。
そのときの温湿度計の写真が残っています。

23.7℃、湿度36%。この数字だけ見れば悪くありません。でもモルモットの適正湿度は40〜60%なので、今度は乾きすぎです。この直前までは暑くて、クーラーを強めたらここまで落ちました。車の中でいちばん困ったのは、暑さそのものより、温度と湿度が激しく動いて安定しなかったことでした。
人間がパニックになっていると、こういう判断がどんどん雑になっていきます。
あとから反省したことが、もうひとつあります。
収納ボックスは広くて快適そうに見えました。でも車の後部にしか置けません。普段の通院で使っている2段のペットリュックなら、車の前のほうまで移動できたし、狭い空間のほうがモルモットは落ち着いたかもしれない。
広い箱がいい、というのは人間の感覚でした。
それと、これは仕方のないことなんですが、車内のチモシーと排泄物のにおいがすごかったです。長時間の車中避難を考えるなら、ここも先に想像しておいたほうがいいと思います。
記録に残っていた、室温と湿度
夕方には自宅のケージに戻しました。家族全員、いちばん落ち着く場所がいいと思ったからです。慣れた場所で過ごしてほしかった。

26.8℃、湿度73%。表示の顔マークは困り顔でした。

夜になると、25.9℃、湿度78%。気温は少し下がったのに、湿度は上がっていました。
モルモットの適正環境は、調べるとこう書かれています。
| 適正温度 | 18〜24℃ |
| 適正湿度 | 40〜60% |
| 注意 | 25℃を超えると負担が増える |
| 危険 | 28℃超で熱中症のリスクが上がる |
温度だけ見ると、25.9℃はギリギリのように見えます。でも湿度が70%台から一度も下がらなかったのが、この2日間の実態でした。適正の上限が60%なので、ずっと超えていたことになります。
暑さの話ばかり気にしていましたが、うちを追い詰めたのは湿気のほうでした。
コンビニで板氷(ロックアイス)を3個買ってきて、タオルで包んでケージに置きました。人間もモルモットも、ただただ暑苦しい夜でした。
2匹の様子はどうだったか。いつも通りに食べてはいました。それでも、絶対に無理をしていると分かりました。うまく説明できないんですが、飼っている人には伝わると思います。
保冷剤を体に当てないでください
ここは調べていていちばん驚いた部分です。
一般的な「ペット×停電」の記事には、こう書いてあることが多いです。
保冷剤や濡れタオルで首まわりや脇の下を冷やすと効果的
これは犬や猫に向けた説明です。
モルモットの熱中症について、動物病院の解説では「氷水につける」「保冷剤を直接身体へ当てる」ことは避けるべきだとされています。急激に冷やすと、かえって悪化させるおそれがあるからです。
つまり、良かれと思ってやることが、モルモットには裏目に出ることがある。
うちがやった「氷をタオルで包んで置く」は、体ではなく空間を冷やすやり方です。あの時は必死で選んだだけでしたが、方向としては間違っていなかったようです。
そして、これも書いておきます。冷やし方より先にやるべきなのは、涼しい場所へ移すことと、早めに病院へ連れて行くことです。素人判断の応急処置を長く続けるのがいちばん怖いと、今は思います。
避難所に電話したら「ペットはケージに入れて屋外」でした
2日目の夜、近所の避難所に電話をかけました。
答えは「ペットはケージに入れて室外で待機してください」でした。
家と変わらない。むしろ屋外なら暑い。それが分かって、電話を切りました。
あとで知ったのですが、環境省が推奨している「同行避難」は、ペットと一緒に安全な場所まで避難することであって、避難所で飼い主と同じ空間で過ごせるという意味ではありません。ここを勘違いしている人は、たぶん私だけじゃないと思います。
真夏に小動物を連れて移動すること自体が、熱中症のリスクにもなります。自宅が安全なら在宅避難を優先する、というのが原則だそうです。
もし電気が戻らなかったら、ペットと泊まれる宿を手配するつもりでした。避難所とは別に、この選択肢を持っておくといいと思います。

写真は2日目の晩ごはんです。ランタン1つで、冷蔵庫の中身から片づけました。子どももモルモットも心配で、正直このあたりで気持ちが限界でした。
夜11時、電気が戻りました。エアコンの効いた部屋で、2匹はぐっすり眠りました。終わった、と思いました。
本当の被害は、電気が戻った翌日に来ました
翌朝、8月15日。
ルルのおしっこに、血が混ざっていました。

その時に頭をよぎったことを、順番に書きます。
やっと休めたのに、どうして。まさか結石じゃないよね。ルルごめんね、ママがもっとちゃんとしていれば。たった2日でこうなるなら、もっと長引いていたら命に関わっていたんじゃないか。
疲れと自己嫌悪と、いろんなものが混ざった状態でした。午後、夫が病院に連れて行ってくれました。
念のため超音波検査もしてもらって、結石はありませんでした。かかりつけの先生から言われたのは、ストレスによる膀胱炎かもしれないので、消炎剤入りのシロップとおしっこのサプリメント2週間飲んでみてください、ということでした。
ここは慎重に書きます。「停電のストレスで膀胱炎になる」と断定はできません。うちのルルに、うちのかかりつけの先生が言ったこと、という以上の話ではないです。モルモットの血尿には尿石症など他の原因もあります。
それでも、これだけは言えます。
災害のあと数日は、おしっこの色を必ず見てください。
停電を乗り切った、と思った翌日に出ました。気を抜くのが早すぎたんです。

病院でかかったお金は20,900円でした
診察、超音波検査、二週間の薬をあわせて20,900円でした。
内訳の明細は残していないので、合計だけです。
この金額を書いておこうと思ったのは、防災の記事で「備えましょう」と書いてある割に、実際にいくらかかったかを書いてあるものが少ないからです。停電のあとに動物病院へ行くと、うちの場合はこれくらいでした。
犬と過ごした停電と、何が違ったか
2019年、令和元年房総半島台風で千葉が長期間の停電になったとき、当時飼っていたフレンチブルドッグと3日間を過ごしました。記憶をたどりながら、今回との違いを比べてみます。
① 落ち着き方が違う
犬は基本的に飼い主がそばにいれば大丈夫でした。キャリーケースでも車内でも、比較的平気です。モルモットは環境変わるとすぐ固まって警戒モード。オス同士が狭い空間いるのもストレス。
② 体温の下げ方が違う
犬は舌を出してハァハァすることで熱を逃がせます。濡れタオルをお腹に当てても大丈夫でした。モルモットは汗をかく仕組みが違いますし、水そのものが苦手です。
③ ごはんの手に入りやすさが違う
犬のフードはコンビニやドラッグストアでも缶詰が買えます。モルモットのフードとチモシーは、基本ペットショップまで行かないと手に入りません。停電中に「買い足せばいい」が通用しませんでした。
モルモットを迎えるとき、正直「犬や猫より楽だろう」という軽い気持ちが少しありました。体は小さいのに、犬よりずっとデリケートでした。ハムスターも飼っていましたが、ハムスターのように狭いケージに入れておくこともできません。
あくまでうちの場合ですが、小動物は小動物用の備えが要る、というのが今回いちばん身にしみたところです。
備蓄リストに、ルルとごまおの欄はありました
停電のあと、うちの防災備蓄の管理シートを開きました。
作ったのは2026年5月。停電の3か月前です。
そこには、ちゃんと「ルルとごまおの7日間備蓄チェック」という欄がありました。チモシーは1〜2袋、ペレットは1袋。飲み水は人間用の備蓄から分ける計算。冷蔵庫が止まったときのために、常温で日持ちする野菜でビタミンCをつなぐローテーションまで書いてありました。
備えていなかったわけじゃなかったんです。
それでも、足りませんでした。
足りなかったのは、モノじゃありませんでした。
① 電気そのもの
チモシーも水もありました。でも、26時間エアコンが止まることは想定に入っていませんでした。ポータブル電源をどうするか、いま検討しています。
② どこに置くか、の判断
リストには「何を持つか」しか書いていませんでした。玄関か、車か、避難所か。暑い日にどこへ移すのが正解なのかは、どこにも書いていなかった。だから当日、パニックの中で選ぶことになりました。
③ 終わったあとに、何を見るか
これがいちばん抜けていました。備蓄リストは「災害の最中」で終わっています。電気が戻った翌日に血尿が出るなんて、書いてありませんでした。
もし今から1行だけ足すなら、「復旧してから3日間、おしっこの色を見る」にします。
そのままコピペできるチェックリスト
うちが今回のことで書き直したものです。コピーして、お家のメモに貼って使ってください。
ただ、「チモシーを1週間分」と書かれても、何袋なのか分かりにくいと思います。うちのストックを撮りました。

1kg×5袋で、ルルとごまおの2匹でおよそ1か月ぶんです。つまり1週間なら1袋ちょっと、という計算になります。それなりに場所を取るので、どこに置くかを先に決めておくと楽です。
【モノ】
□ チモシー 1週間分以上(1kg×1袋ちょっとが目安)
□ ペレット 1袋
□ 飲み水(1匹1日あたり100〜300mlで計算)
□ 常温で日持ちする野菜(キャベツ・にんじん・きゅうり)
□ 保冷剤・板氷(体に当てない。ケージの外に置いて空間を冷やす)
□ ハンディファン(電池式かモバイルバッテリーで動くもの)
□ 温湿度計(これがあったから判断できました)
□ 移動用の箱かリュック(フタを閉めず、通気を確保する)
□ ジップロックに1〜2日分のフードを入れて、非常用リュックへ
□ ペットシーツ(普段は布中心でも備える)
【先に決めておくこと】
□ 家の中でいちばん風が通る場所はどこか
□ 避難所に電話して、ペットの扱いを確認しておく
□ ペット可の宿をひとつ調べておく
□ 車は安全地帯だと思わない(暑い↔冷えすぎで安定しません)
【終わったあと】
□ 復旧してから3日間、おしっこの色を見る
□ ごはんの減り方と呼吸を見る
□ いつもと違うと思ったら、樣子を見ないで病院へ
この記事を書いている今夜も、関東に線状降水帯の予測が出ています。まだ何も起きていない今のうちに、上のリストをひとつずつ見てもらえたらうれしいです。
この記事は、うちで起きたことの記録です。症状の見方や治療の判断は子によって違います。おしっこの色がおかしい、呼吸が荒い、ごはんを食べない。そういうときは、自己判断せずに動物病院で診てもらってください。停電や災害のあとは特に、いつもより注意して見てあげてほしいです。
ルルは投薬2週間で落ち着きました。いまは2匹とも元気です。
※イラスト・一部の画像はAIで生成しています。写真は実際のルルとごまおです。


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